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最高裁判所第一小法廷 昭和41年(オ)329号 判決 1966年6月16日

上告人

羽生田勝商

右訴訟代理人

島田勝三

被上告人

中島政吉

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人島田勝三の上告理由について。

所論は違憲をいうが、実質は単なる法令違反の主張に過ぎない。しかして、いわゆる白地手形は、後日手形要件の記載が補充されてはじめて完全なる手形となるものであつて、その補充があるまでは未完成の手形に過ぎないから、それによつて手形上の権利を行使するに由ないものである。従つて、原審の認定するところによれば、本件手形の受取人欄は白地のまま、原審の最終口頭弁論期日まで補充されなかつたというのであるから、上告人が右手形によつて手形上の権利を行使し得ないものとして上告人の請求を排斥した原審の判断は正当である。原判決には何等所論の違法はない。それ故、論旨は採用に値しない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(松田二郎 入江俊郎 長部譲吾 岩田誠)

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